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夢の話

こんな夢を見た。


山の頂で、少女が音楽を待っていた。黄昏が近かった。

頂の向こうからロープウェイが登ってきた。中では老紳士がフルートを吹く仕度をしている。少女に音楽を届けてやろうと大急ぎで銀色の楽器を組み立てている。

老紳士のフルートの調べはしかし、頂を過ぎてから漸く聞こえてくる。遠ざかるフルートの音色。遠くへ、遠くへ、遠くへ…フェイド・アウト。

肌寒さと美しい残響が少女を包んだ。私は、山々に囲まれ、音楽を待っていた。