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夏の初め

木漏れ日の下

小さな力こぶの浮き立った

十五くらいの若人らが

酒をぐびり、ぐびり。

唇の周りのか細い無精髭に

だらしなく雫が残っている。

 

僕と三つも変わらぬ若人らは

めいめいどこで通過儀礼を経てきたのか

――おやじの理不尽な暴力?――

子に特有の

よそ者への無遠慮な好奇心を捨て

馴れ馴れしく世界に対峙することをやめ

冷めた目をたたえて

ただ、カッカと哄笑している。

 

僕は何だか怖い。

 

若人らは半裸で立ち上がり、神輿を担ぐ。

酒の蒸気が混ざった吐息。顔の赤いのもいる。

できたての力こぶに、僕は惑う。胸の厚みに、僕は見とれる。

 

神輿は新緑たゆたう六月の細道の中を進んでいく。

どんどん遠くなる声。

 

ふう。

 

僕はひとり残されて

長袖では暑くてきゅうくつだ。

 

たよりない掌。無遠慮な太陽。

 

僕は誰?