Taku's Blog(翻訳・創作を中心に)

英語を教える傍ら、翻訳をしたり短篇や詩を書いたりしたのを載せています。

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

The Tree of Life

おそらく建築士として成功を収めている中年の男(Jack)は、ガラス張りの最先端のデザインの現代的な建築物の一室で、ふとガラス越しの一本の木と、小さな青いグラスの中のキャンドルの炎を見て、自身のの思春期に思いを馳せる。彼の鮮やかな思い出は、一人の…

烏賀陽弘道 『報道の脳死』

報道の脳死 (新潮新書)作者: 烏賀陽弘道出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/04/17メディア: 新書 クリック: 19回この商品を含むブログ (1件) を見る 3.11からしばらくの後、全くと言ってよいほどTVを見なくなった。口幅ったい物言いかもしれないが、ただ騒…

岩井俊二監督 "PICNIC" (1996年) CHARA 浅野忠信 橋爪浩一 他 (68分)

世間ずれした大人は、子どもは純粋だと言う。無垢で愛らしい、と。そうしてきっと、無垢で愛らしい自分の子どものときを懐かしむ。多分、だらしのない顔で。 子どもが純粋であるなら、大人は幾分か濁ったところがあるはずだ。僕たちがそうした大人になったの…

3月終わりの真昼の電車で音楽を聴きながら

柔らかい陽が差す、昼の環状線で音楽を聴いていると、ふと打たれた。この音楽には始まりがあって、今この瞬間の調べは、ある意味、その始まりに決定的に宿命づけられている。それなのに、この音の流れは、今この瞬間、この空間を豊かな膨らみで満たし、すぐ…