Taku's Blog(翻訳・創作を中心に)

英語を教える傍ら、翻訳をしたり短篇や詩を書いたりしたのを載せています。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

リチャード・ブローティガン 『西瓜糖の日々』

西瓜糖の日々 (河出文庫)作者: リチャードブローティガン,Richard Brautigan,藤本和子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2003/07メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 41回この商品を含むブログ (140件) を見る 解説で柴田元幸さんが、大学生の時に翻訳を…

黒澤明『羅生門』 『どん底』 マーティン・スコセッシ『タクシードライバー』 ―最近観た映画より

『どん底』 ゴーリキーの同名の戯曲を、舞台を江戸時代に設定したもの。酒や博打でどうしようもない人間たちの、「絶望しきれない悲哀」を描いた作品。大人数が、まるで昔の刑務所の大部屋のような一部屋に住み、入って行ったり出て行ったりする。左卜全演じ…

エルヴィン・ヴァーゲンホーファー 『ありあまるごちそう』(We Feed the World)

私たちはしばしば、目を逸らしたり、無関心でいたり、無知を装うことで、知っているのに知らないでいることができる。 私たちが、命ある生き物を殺し、その肉を食べて生を繋ぎ止めていることはその一つだ。そして、私たちの社会では、日々大量の肉が消費され…

小津安二郎 『東京物語』

尾道から老夫婦が、独立した子どもたちに会いにやってくる。しかし、子どもたちは仕事にかまけ、残酷なほどに冷淡で、迷惑そうだ。金を払って熱海に遣って、時間を潰させる始末。そんな中、老夫婦の戦死した息子の妻であった、原節子演じる紀子だけが、心を…

黒澤明 『一番美しく』

一番美しく [DVD]出版社/メーカー: 東宝発売日: 2002/12/21メディア: DVD クリック: 4回この商品を含むブログ (8件) を見る 黒澤が戦時下に撮った作品で、少なくとも一般には傑作としての評価は受けていない。戦意高揚のためのプロパガンダと看做す向きもあ…

アンデルセン 『絵のない絵本』

絵のない絵本 (岩波文庫)作者: アンデルセン,大畑末吉出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1975/11/17メディア: 文庫 クリック: 4回この商品を含むブログ (5件) を見る 飛行機がない時代、映画やTVやインターネットがない時代、世界は今よりずっと広かったはず…

この1週間ほどに観た映画

いつもは、ある程度まとまった長さの分量を書いているけど、休暇中、メモのようにさくさくと紹介です。『用心棒』(Yojinbo) 『七人の侍』のトリックスターとしての三船ではなく、渋い、剣の達人としての三船が見られます。黒澤の描くのは、時代劇のチャンバ…